情熱のカムアラウンド

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心の感じるままに。カーリングをメインに様々なスポーツを追いかけて。駆け出しスポーツライターの人生奮闘ブログ。

駆け出しライター、平昌五輪に殴り込む④ カーリング日本代表に大注目の予感

 

 

27日に韓国に着いてから、1週間以上が過ぎた。寒空の中、移動は常にキャリーケースを持ち歩き、チムジルバンと安宿を渡り歩き、食費をできる限り抑える日々。昼のロッテリアは何回お世話になっただろう。さすがに身体の疲れが若干取れにくく感じる時もあるが、段々この状況に慣れてきた。気が張っているせいもあるだろうけど、結構タフな自分に安心している。

 

マズい、このままだと単なる貧乏旅行記だ。オリンピックに話を戻そう

 

ミックスカーリングはカナダの金メダルで幕を閉じ、いよいよ男子と女子のカーリングがスタートした。男子の日本代表は、SC軽井沢クラブ。女子の日本代表は、LS北見。出場国の10チームで男女とも総当たりの予選リーグを戦い、成績上位の4チームが準決勝へ進出する。

 

「ここまで来たのだから買えるチケットは買おう」

 

そう決めて、韓国に着いてからチケットサイトで購入できたカーリングのチケットは5枚。そのうち4枚は準決勝以降の試合だった。オリンピックの準決勝や決勝を観戦する機会は滅多にあるもんじゃない。日本が出ていなくても世界最高峰のプレーを目の当たりにできるんだし。

 

「いや、日本が勝ち残る可能性は充分あるよな」

 

というか、少なくとも男女どちらかは勝ち残る気がする。

 

男子出場国(最新の国別世界ランキング順)

カナダ、スウェーデンノルウェーアメリカ、スイス、イギリス、日本、デンマーク、イタリア、韓国

 

男子は2位から9位までが紙一重ではないか? と思っている。オリンピック3連覇、世界選手権2連覇中のカナダが予選4位以内に入るのは確実。本当は、昨年の世界選手権2、3位のスウェーデンとスイスも堅いと言いたい。2チームが世界選手権準決勝で演じたハイレベルな死闘の記憶はあまりにも強い。ただ、当選確実を出す勇気はない。前回ソチオリンピック、または直近3年の世界選手権で表彰台に立った国はいくつあるか? 実に参加10か国中7か国(日本、イタリア、韓国以外)。男子に関して言うと、カナダを除くと明確な実力の序列がない。しかも、日本代表のSC軽井沢クラブは2年前の世界選手権で4位。今シーズンの大会では、スイスやスコットランド(オリンピックはイギリスとして参加)に勝つなど、メダル争いのチームと互角に渡り合えるところまできている。アジアのライバル韓国も日本と実力はほぼ互角。自国の応援を背にしての快進撃は充分にあり得る。だから、男子日本代表が2位になったとしても9位になったとしても、僕は全然意外ではないと思っている。

 

あまり予想は好きではないが、一応準決勝進出予想。

1、カナダ

2、スウェーデン

3、日本

4、アメリ

 

スウェーデンの安定感、オリンピックにかける気力充実の日本。4位通過は迷ったが調子に乗るとハマるアメリカと並べてみた。

 

女子出場国

カナダ、スイス、OMR(ロシアの選手)、イギリス、スウェーデン、日本、アメリカ、韓国、デンマーク、中国

 

男子同様、カナダの予選突破は間違いないだろう。今回参加しているのは、昨年の世界選手権を全勝で優勝したレイチェル・ホーマンのチーム。女子は男子に比べて、国単位で実力の序列がある程度はっきりしている。20142016年の世界選手権を3連覇したスイス。世界選手権でプレーオフ常連のロシア、イギリス。次いで、ソチ五輪銀メダルの古豪スウェーデン2016年世界選手権準優勝の日本、その日本とアジアでしのぎを削る韓国と中国が続くといったところか。アメリカとデンマークは厳しい戦いを強いられるそうだ。ただ、スイスは、2016年世界選手権で日本の前に立ちはだかったビニア・フェルチャーのチームでなければ、2015年世界選手権でカナダのジェニファー・ジョーンズのチームを破ったアリーナ・ペーツのチームでもないのが気がかり。もちろん、スイス国内を勝ち抜いたチームなので実力は間違いないが。ロシアもずっと世界で好成績を残してきたアンナ・シドロワのチームが今回参加しておらず未知数。となると、男子同様に混戦になりそうな予感がしてくる。日本代表のLS北見は、フロントエンドの吉田夕梨花鈴木夕湖がゲームをしっかり作ってくれる分、安定した戦いぶりが期待できそう。キーになるのは、苦戦を強いられることの多い韓国、中国との試合か。

 

女子の準決勝進出予想

1、カナダ

2、イギリス

3、日本

4、スイス

 

他チームが不安定だと際立つだろう常連組のミュアヘッドでイギリス。大崩れはしない日本が3位通過。4位は相当迷ったが地力でスイスにしてみた。スウェーデンも不気味なのだが。韓国、中国も充分あると思うが、ヨーロッパ勢に分が悪いイメージがあるので外した。

 

このままだと、単なるカーリングマニアの予想に過ぎないので、現地会場に足を運んだ時に感じたことを交えて、日本代表活躍のポイントを挙げてみたい。

 

今回の会場で感じた特徴は2つ。

 

1つは、会場の温度が予想以上に高いこと。観客の収容人数が多いことも影響しているのかもしれない。カーリングでは、観客の影響などで会場の温度が上がると、会場の空調温度を調節したり、試合シートのアイスを冷やしたりする。ということは、氷の状況が変化するスピードが通常より速く、なおかつ細目に温度調節をする可能性が考えられる。

 

もう1つは、フォグラインと呼ばれるラインを超えたあたりで、急激に石が曲がり始めるアイスだったということ。少し大げさに言うと、カクっと曲がる。単に曲がりやすいアイスというだけでなく、曲がり始めるのが早いアイスということだ。いち早くラインを読み切って、判断を躊躇わずにラインコールをすることが重要になってくるのではないかと感じた。

 

この2つをチームとして解決する方法。それは、“情報を共有し合う密なコミュニケーションを絶やさないこと”だと思う。オリンピック特有の雰囲気に飲まれず、周囲の目もお構いなしに。そして、チームメイトの声に常に耳を傾けるゆとりを持って。地味だと思うだろうが、コミュニケーションが上手で繊細なチームが、この会場とアイスを制するはずだ。

 

元々、LS北見の持ち味は、密なコミュニケーションがもたらす4人総意のカーリングSC軽井沢クラブは、コミュニケーションを増やすことを意識しながらオリンピックへの準備を進めてきた。

 

カーリングの準決勝は、男子は22日、女子は23日から始まる。オリンピック終盤、日本国内の注目がこの2チームに集まることになるのではないか? カーリングの面白さを広く知ってもらいたいと願う自分にとっては、思わずニヤリ、だ。