情熱のカムアラウンド

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心の感じるままに。カーリングをメインに様々なスポーツを追いかけて。駆け出しスポーツライターの人生奮闘ブログ。

記憶に残るリバーダンス 〜中国大会女子フリー〜

カーリングのアジアパンパシフィック選手権。LS北見頑張ってます。予選で前回覇者中国に連勝!! 韓国には連敗してしまったようですが…。上位2枠の世界選手権出場権に向けて頑張って欲しいです。男子のSC軽井沢は現在5勝1敗。女子に負けず男子も頑張って欲しい!

 

さて、5日前、私2年ぶりにフィギュアスケートで涙腺が決壊してしまいました。

ここで、「誰の演技で? 」って聞く人は、きっとTV中継見てないんじゃないでしょうか(笑)

 

テレビ中継を見た人は、真央ちゃんの復帰優勝よりも語りたくて仕方がないはずです。

本郷理華のリバーダンスを!!

2日後の再放送もこれを見るためだけにTV付けちゃいました。

 

あらためて見ても、ジーン。2度目でも感動が色褪せない。まさに名店の味。

 

ちなみに、2年前の涙腺決壊は、ソチ五輪前の日本選手権で見た、鈴木明子さん。

ショートの愛の讃歌、フリーのオペラ座の怪人。彼女のスケート人生の集大成を凝縮した名演技だったなー。

 

本郷選手に戻りましょうか。

私が久しぶりに涙腺決壊したあの演技も、スポーツニュースだと、

「冒頭のジャンプに成功し、その後も華麗なステップをみせ、見事パーソナルベストをたたき出し、2位に入りました」

 

たった一文、わずか10秒足らず(泣)!! 悲しすぎる…。

素人ながら、こりゃー、書くしかねーだろーと(笑)

演技を時系列で追ってみます。

 

 

 

本郷理華のフリーの演技。曲は「リバーダンス」

 

 

 

出だしは、比較的静かで落ち着いた音楽。それに合わせて、すーっと流れながら冒頭3回転−3回転のコンビネーションジャンプを成功し、その後のジャンプもしっかり決めていきます。

 

ここで、まず思ったのがスケーティングのスピードが速くなった! ってこと。技と技をつなぐ滑りが速くなってる。

私が、本郷選手の演技を見るのは、これが3、4回目。過去の演技を鮮明に覚えてる訳ではないのですが、それでもはっきりとわかりました。スケーティングのスピードって見逃されがちなんですが、結構印象に違いが出ます。静と動のメリハリがキレイなんですね!! 滑ってブレーキかかって跳ぶ。滑って止まってステップに入る。この動きがダイナミズムに感じるんです。

 

この時点で、彼女は相当練習積んだんだろうなー、すごい成長してるなーと熱くなってきました。

子どもの成長を見守る親ってこんな感じなんでしょうか(笑)

でも、何かしゃべろうとすると涙腺の決壊を抑える力が緩むので、心の中でつぶやいて我慢。

 

少しずつ音楽のテンポは速く、音も強くなっていく。

 

そして、中盤からステップが始まります。「リバーダンス」はタップダンスの舞台作品なのだそうです。フィギュアではオペラ作品やクラッシックの曲が多く使われる事が多いので、新鮮に感じました。タップを刻むような独創的なステップを見せる本郷選手に中国の観衆が沸きます。ステップの合間に、音楽に合わせてタップを「タンッ! タンッ! 」と刻む姿に心が躍りました。

 

途中の3回転ジャンプの着地でバランスを崩しますが(本当は連続ジャンプの予定だったのかな? )、何とかこらえて演技は続きます。スケーティングの合間に見せる振り付けも動きが大きくて、勢いがある。長身なので見栄えがするってのもあるのだけど、それを持て余す事もない。目をカッと見開いて勢い良く手を伸ばしては包み込み、四肢を目いっぱい使った振り付け。かといって「私の技術を見て! 」というような採点を意識しすぎたくどいアピール感もなぜかしないんですよねー。

それはまるで“本郷理華という一人の人間がここに生きている”という存在証明を強烈に見せられているような。

その瑞々しい生の躍動に圧倒されました。

 

そして、演技後半のステップ。観衆の歓声は最高潮に達しました。出し惜しみなく繰り出されるタップ。

解説の荒川静香さんからは、「非常に臨場感があります」とお褒めの言葉。

圧巻でした。フィギュアスケーターというより、もう本郷理華にタップダンサーが乗り移っている!!

 

「もういいや、流しちゃえ」

私ここで、もう涙腺を我慢するの諦めました(笑)

 

最後は高速スピンから両手を広げ、空を見上げるようなポーズでフィニッシュ。

震えました。痺れました。あまりに強烈で、濃密な4分半でした。

 

 

 

彼女が今後どんなキャリアを過ごすのかはわかりません。ただ、もし思うようなスケート人生にならなかったとしても、私はきっと忘れない。

本郷理華というフィギュアスケーターがいた事。彼女のリバーダンスが素晴らしかった事。

今も太田由希奈を覚えているように。バンクーバー五輪最終滑走の長洲未来を覚えているように(こちらは現役)。

って、知らない方には伝わらないか(笑)

 

本郷理華のリバーダンス。本当に記憶に残る演技でした。宮原知子ちゃん応援していましたが、半分は彼女に回そうかなと(笑)

ちなみに、本郷選手の次戦は、11月20〜22日に開催されるロシア大会です。今回見逃した方は、チェックしておいてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

余談ですが、真央ちゃんの最高難度プログラムについて思ったことを1つ。

 

真央ちゃんの最高難度のプログラム。難易度よりも、1回ミスした時からが一番難しいのかもって思いました。

最高難度のプログラムは、1回くらいのミスなら演技構成点の低い人を上回れるっていう保険がかかっちゃってます。だからこそ、ミスが許されない厳しい状況への変化は“演技中に起こる”。これ結構きついかもなーと。

サッカーだと、ホーム&アウェー方式で初戦勝利したチームに似てるかな。初戦2点差で勝ってたのに、2戦目で1点リードされた時に“次の1点取られたらアウェーゴールルールで負けちゃう”みたいな。

もちろん、緩い気持ちなど排除してノーミス狙いでスタートしてると思うんですけどね。逆に、真央ちゃんより演技構成点の低い選手は、最初から1回のミスも許されないから、心にスキが生まれない状況で始められるのかもーとも思いました。