情熱のカムアラウンド

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世界バスケ~世界で勝つためには、80点~

 前半終了。日本38‐20ニュージーランド

 試合は終盤、第4クオーター残り5分。大きな波が、日本代表を飲み込もうとしていた。前半終了時、はるか遠くに見えていた波。今やそれは、勢いを増して目の前に迫っている。どうする? どうすればいい? 残念ながら、日本代表にはその波を乗り越える余力はなかった。ただ無力さを痛感することしかできなかった…。

 

 試合終了。日本57‐60ニュージーランド

 悪夢のような逆転負けだった。史上初の世界バスケ決勝ラウンド進出への道。その道は、この試合に負けた時点でほぼ閉ざされていた。日本が後半に見せた、前半とは別人のような弱気なプレーの連続。前半の18点差を守りきれなかったのは、日本の精神的な弱さ、経験の差と言われても仕方がないと思うし、実際その通りだとは思う。

 

 そして、勝利に対する意識の持ち方を間違えていたとも思う。

 

 次の2試合のスコアを見て欲しい。

 日本78‐61パナマ

 ニュージーランド60‐57日本

 今回、日本の入ったグループBで行われたのは全15試合。その中で、80点未満の点数のチームが勝利しているのは、この2試合だけである。ちなみに、80点以上の点数を挙げたチームが敗れた試合は、

 アンゴラ83‐93スペイン

 アンゴラ103(延長)108ドイツ

の2試合。つまり、ほとんどの試合で、“80点”という数字が勝敗を決めるボーダーラインになっていた、ということになる。言い換えれば、1クオーター平均20点を取っていかなければ、世界の舞台では勝てないのである。ニュージーランド戦における、日本の各クオーターの点数は、第1クオーターこそ26点を挙げているが、第2クオーター12点、第3クオーター10点。第4クオーターにおいては、9点しか挙げていない。日本の得点は明らかに“少なさ過ぎた”といえる。実際、日本の最高得点はパナマ戦の78点。80点以上挙げた試合はなかった。

 

 ニュージーランド戦の序盤、日本は早いパス回しからシュートを決める形ができていた。しつこいディフェンスは相手のファウルを誘い、課題のディフェンスリバウンドも良く取れていた。インサイドの不利は、ドライブインやカットインで内に切れ込むことである程度カバーしていたし、相手を内に引き付けたとこで外角にふるパスが効果的に決まっていた。これを最後までやり通さなければならなかった。

 そして、後半の攻防。日本の選手から躍動感が消えた。それは、相手との点差から、試合を逆算してしまったゆえに起きた呪縛のように感じた。もし、勝利に対する意識の持ち方が、相手の点数を上回ることではなく、自分達がもっと点数を取るということに向かっていたら、と思えてならない。

 

 日本バスケの次の目標は、おそらく2008年の北京五輪になるだろう。1試合80点以上挙げなければ、世界で勝てない。そのことを念頭において、日本の強化を進めて欲しいと願う。そうすれば、今回の世界バスケの敗戦は、決して無駄にはならないはずだ。

 ちなみに2008年の北京五輪で、開催国の中国以外に残されたアジアの出場枠のイスは、たった1つである。