情熱のカムアラウンド

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心の感じるままに。カーリングをメインに様々なスポーツを追いかけて。駆け出しスポーツライターの人生奮闘ブログ。

カーリング通の観客と地元青森県協会の奮闘 〜日本カーリング選手権序盤から〜

今日は早くも大会5日目。

 

泣き言のようだが、試合を観ているとまったく記事を書くのが追いつかない。予選リーグは1日4セット(1,3セット女子、2,4セット男子)行われるのだが、朝1番の試合は、8時30分から。でもって、最後の試合終了は22時をゆうに越える。そうなると宿に戻るバスがなくなってしまうので、少し残念な思いにかられながら、第3試合を見て宿に戻る。ちなみに、1セットにつき1試合は、ユーストリームで試合配信がされている。ご興味ある方は視聴してみてはいかがだろうか? また、男女決勝については、NHKBS1で放送予定となっている(女子決勝は生中継、男子決勝は翌深夜録画放送)。

 

ついでに、大会のスケジュールに触れておこう。

 

2月6日 公式練習、開会式

2月7日〜11日 男女とも予選総当たりのリーグ戦

2月12日 男女プレーオフ、準決勝

2月13日 男女決勝

 

プレーオフに進出できるのは、予選上位4チーム。4位が勝敗で並んでいる場合は、11日の予選終了後にタイブレーク(プレーオフ進出決定戦)を行う。

 

そして、プレーオフのシステムは、通常のトーナメント方式とは異なっている。

 

まず、予選1位と予選2位、予選3位と予選4位が対戦。予選1位と予選2位の対戦の勝者は決勝進出。敗れたチームは、予選3位と予選4位の対戦の勝者との準決勝にまわり、決勝進出をかけて対戦する。予選1,2位のチームは、一度敗れても決勝進出のチャンスがあるので、予選を含めると3回直接対決の可能性がある。個人的には、女子の北海道銀行LS北見は、その可能性が極めて高いのではないかと思う。

 

今大会に来て感じたのが、地元青森の方々が若い人から年配の方まで世代を問わず来場していること。今日の試合観戦中、「よかったら、どうぞ」と席を譲ろうとした時、「遠くからいらしてる方が、ちゃんと見て下さい」とおっしゃったのは、隣の女の子のお母さん。娘さんは、カーリングをやっているのだそうだ。

 

そして、皆さんはカーリングの知識も楽しみ方もよく知っている。私の前に座っていた中年の女性の方々からは、カーリング用語が普通の会話によく出てきて、次ショットの選択に対する予想や、投げられたショットに対する感想が次々と出てくる。時には、近くの人とお互いの知らない情報を共有したり。

 

皆がストーンの行き先を見守り、1投1投に歓声とため息がもれる。地元チームに関わらず、ナイスショットにはどこからともなく賞賛の拍手があがり、試合後の選手達へ温かい拍手も忘れない。「よくやったぞ、ナイスゲーム」なんてねぎらいも聞こえてくる。

 

青森の観客は、筋金入りのカーリング通であり、カーリング観戦通だ。

 

それもそうかもしれない。元々青森は、長野や北海道と並ぶカーリングの街。少し歴史を振り返れば、日本で初めて世界選手権が開催されたのもここ青森だ。2006年トリノ五輪、2010年バンクーバー五輪に出場し、日本でのカーリング認知度に大きく貢献した女子日本代表は、チーム青森。現北海道銀行の小笠原選手、舟山選手、近江谷選手、LS北見の本橋選手も、かつてはチーム青森の一員として五輪に出場している。会場のロビーにある掲示板には、『カーリング教室』『カーリング実技指導』といった掲示物を見ることもできた。

 

隣に座っていた娘さんは、「いつもはこんなに(観客は)多くないよ」と私に教えてくれた。青森での日本選手権開催は4年ぶり。この日を楽しみにしていた地元カーリングファンが多く駆けつけたのだろう。

 

さて、そんな地元の声援を背に受けて、予選序盤に会場を沸かせたのは、開催地推薦枠で出場している女子青森県協会の健闘ぶり。スキップの齋藤菜月選手は、かつては、チーム青森の一員で、昨年9月の世界ミックスカーリング選手権にも日本代表として出場している実力者。ホームコートの利がどれだけ影響するのかはわからないが、チームの若手を引っ張り、北海道銀行LS北見の2強を大いに苦しめた。大会2日目の北海道銀行戦では、第5エンドまで6-2とリードし、6-8と逆転された後の最終エンドも、ラストショットが決まればエキストラエンド(最終エンドが終わって同点の場合の延長戦)というところまで追いつめた。大会4日目のLS北見戦では、第8エンド終了時で5-2とリード、5-5の同点で迎えた最終エンドも、有利な後攻だっただけに惜しい敗戦となってしまった。

 

 

 

次回は、大会中盤戦の様子をお届けする予定です。