情熱のカムアラウンド

sports blog 情熱のカムアラウンド

心の感じるままに。カーリングをメインに様々なスポーツを追いかけて。駆け出しスポーツライターの人生奮闘ブログ。

駆け出しライター、平昌五輪に殴り込む④ カーリング日本代表に大注目の予感

 

 

27日に韓国に着いてから、1週間以上が過ぎた。寒空の中、移動は常にキャリーケースを持ち歩き、チムジルバンと安宿を渡り歩き、食費をできる限り抑える日々。昼のロッテリアは何回お世話になっただろう。さすがに身体の疲れが若干取れにくく感じる時もあるが、段々この状況に慣れてきた。気が張っているせいもあるだろうけど、結構タフな自分に安心している。

 

マズい、このままだと単なる貧乏旅行記だ。オリンピックに話を戻そう

 

ミックスカーリングはカナダの金メダルで幕を閉じ、いよいよ男子と女子のカーリングがスタートした。男子の日本代表は、SC軽井沢クラブ。女子の日本代表は、LS北見。出場国の10チームで男女とも総当たりの予選リーグを戦い、成績上位の4チームが準決勝へ進出する。

 

「ここまで来たのだから買えるチケットは買おう」

 

そう決めて、韓国に着いてからチケットサイトで購入できたカーリングのチケットは5枚。そのうち4枚は準決勝以降の試合だった。オリンピックの準決勝や決勝を観戦する機会は滅多にあるもんじゃない。日本が出ていなくても世界最高峰のプレーを目の当たりにできるんだし。

 

「いや、日本が勝ち残る可能性は充分あるよな」

 

というか、少なくとも男女どちらかは勝ち残る気がする。

 

男子出場国(最新の国別世界ランキング順)

カナダ、スウェーデンノルウェーアメリカ、スイス、イギリス、日本、デンマーク、イタリア、韓国

 

男子は2位から9位までが紙一重ではないか? と思っている。オリンピック3連覇、世界選手権2連覇中のカナダが予選4位以内に入るのは確実。本当は、昨年の世界選手権2、3位のスウェーデンとスイスも堅いと言いたい。2チームが世界選手権準決勝で演じたハイレベルな死闘の記憶はあまりにも強い。ただ、当選確実を出す勇気はない。前回ソチオリンピック、または直近3年の世界選手権で表彰台に立った国はいくつあるか? 実に参加10か国中7か国(日本、イタリア、韓国以外)。男子に関して言うと、カナダを除くと明確な実力の序列がない。しかも、日本代表のSC軽井沢クラブは2年前の世界選手権で4位。今シーズンの大会では、スイスやスコットランド(オリンピックはイギリスとして参加)に勝つなど、メダル争いのチームと互角に渡り合えるところまできている。アジアのライバル韓国も日本と実力はほぼ互角。自国の応援を背にしての快進撃は充分にあり得る。だから、男子日本代表が2位になったとしても9位になったとしても、僕は全然意外ではないと思っている。

 

あまり予想は好きではないが、一応準決勝進出予想。

1、カナダ

2、スウェーデン

3、日本

4、アメリ

 

スウェーデンの安定感、オリンピックにかける気力充実の日本。4位通過は迷ったが調子に乗るとハマるアメリカと並べてみた。

 

女子出場国

カナダ、スイス、OMR(ロシアの選手)、イギリス、スウェーデン、日本、アメリカ、韓国、デンマーク、中国

 

男子同様、カナダの予選突破は間違いないだろう。今回参加しているのは、昨年の世界選手権を全勝で優勝したレイチェル・ホーマンのチーム。女子は男子に比べて、国単位で実力の序列がある程度はっきりしている。20142016年の世界選手権を3連覇したスイス。世界選手権でプレーオフ常連のロシア、イギリス。次いで、ソチ五輪銀メダルの古豪スウェーデン2016年世界選手権準優勝の日本、その日本とアジアでしのぎを削る韓国と中国が続くといったところか。アメリカとデンマークは厳しい戦いを強いられるそうだ。ただ、スイスは、2016年世界選手権で日本の前に立ちはだかったビニア・フェルチャーのチームでなければ、2015年世界選手権でカナダのジェニファー・ジョーンズのチームを破ったアリーナ・ペーツのチームでもないのが気がかり。もちろん、スイス国内を勝ち抜いたチームなので実力は間違いないが。ロシアもずっと世界で好成績を残してきたアンナ・シドロワのチームが今回参加しておらず未知数。となると、男子同様に混戦になりそうな予感がしてくる。日本代表のLS北見は、フロントエンドの吉田夕梨花鈴木夕湖がゲームをしっかり作ってくれる分、安定した戦いぶりが期待できそう。キーになるのは、苦戦を強いられることの多い韓国、中国との試合か。

 

女子の準決勝進出予想

1、カナダ

2、イギリス

3、日本

4、スイス

 

他チームが不安定だと際立つだろう常連組のミュアヘッドでイギリス。大崩れはしない日本が3位通過。4位は相当迷ったが地力でスイスにしてみた。スウェーデンも不気味なのだが。韓国、中国も充分あると思うが、ヨーロッパ勢に分が悪いイメージがあるので外した。

 

このままだと、単なるカーリングマニアの予想に過ぎないので、現地会場に足を運んだ時に感じたことを交えて、日本代表活躍のポイントを挙げてみたい。

 

今回の会場で感じた特徴は2つ。

 

1つは、会場の温度が予想以上に高いこと。観客の収容人数が多いことも影響しているのかもしれない。カーリングでは、観客の影響などで会場の温度が上がると、会場の空調温度を調節したり、試合シートのアイスを冷やしたりする。ということは、氷の状況が変化するスピードが通常より速く、なおかつ細目に温度調節をする可能性が考えられる。

 

もう1つは、フォグラインと呼ばれるラインを超えたあたりで、急激に石が曲がり始めるアイスだったということ。少し大げさに言うと、カクっと曲がる。単に曲がりやすいアイスというだけでなく、曲がり始めるのが早いアイスということだ。いち早くラインを読み切って、判断を躊躇わずにラインコールをすることが重要になってくるのではないかと感じた。

 

この2つをチームとして解決する方法。それは、“情報を共有し合う密なコミュニケーションを絶やさないこと”だと思う。オリンピック特有の雰囲気に飲まれず、周囲の目もお構いなしに。そして、チームメイトの声に常に耳を傾けるゆとりを持って。地味だと思うだろうが、コミュニケーションが上手で繊細なチームが、この会場とアイスを制するはずだ。

 

元々、LS北見の持ち味は、密なコミュニケーションがもたらす4人総意のカーリングSC軽井沢クラブは、コミュニケーションを増やすことを意識しながらオリンピックへの準備を進めてきた。

 

カーリングの準決勝は、男子は22日、女子は23日から始まる。オリンピック終盤、日本国内の注目がこの2チームに集まることになるのではないか? カーリングの面白さを広く知ってもらいたいと願う自分にとっては、思わずニヤリ、だ。

駆け出しライター、平昌五輪に殴り込む③ オリンピックって素晴らしい

 

28日。ミックスカーリングの予選第2試合。

時計は2015分。試合開始時間よりおよそ10分遅れて会場に入った。

 

会場に入ると、とにかく明るいというのが第1印象だった。世界選手権の会場は行ったことがないのでわからないが、今までに僕が観戦した国内の大会でこんなに明るさを感じたことはなかった。天井の照明に照らされたシートの氷は白く輝き、その反射作用が会場全体を明るくしている。  

f:id:katsuspo:20180213224202j:plain

 会場はほぼ満員。9割近くの席が埋まっているように見える。カーリングの予選チケットは40,000ウォン(4,000)。これは開催競技の中でも相当に安い。まだ人気競技ではないからこその料金設定だが、高額チケットの競技を敬遠する人達が買っているのか、もう予選のチケットは余っていなかった。

 

観客の大部分は開催国の韓国人が占めている。それでも所々に外国人の観客を見つけることができた(さすがにキャリーケースを持っていたのは僕だけだったが)。僕の席からでも、カナダ、アメリカ、フィンランド、中国人の姿は確認できた。そのインターナショナルな客席を見ても、ここが特別な場所だと感じることができた。

 f:id:katsuspo:20180213224451j:plain

 

これがオリンピックってやつか。

 

まばゆい光に照らされた会場。インターナショナルな客席。ここに辿り着くまでの疲れを忘れて、僕はいきなりその華やかさに浮かされた。

 

 

ここで、ミックスカーリングのルールをごく簡単に説明しておく。

 

・試合は8エンドまで

・お互いの石が1個ずつ配置された状態からスタートする

・エンドにつきデリバリーする石は計5個

1人は1投目と5投目を、もう1人は2~4投目を受け持つ

・先攻の2投目までは石を打ち出すことはできない

 

最初に配置された石と先攻の2投目までの5個の石が残るので、ハウス内に石が溜まる試合展開になるのが特徴。それ以外は、あまり深く考えずに通常のカーリングよりデリバリーする石の個数やエンド数が少なく、コンパクトにまとまっていると思っていただければよいかと思う。

 

さて、初めて生で観るミックスカーリングだが、これがなかなかに楽しい。

 

ミックスカーリングでは、石をデリバリーする選手とハウス内でラインコールする選手の2人だけ。つまり、最初からスイーパーは存在しないので、どちらかがその役目を兼ねることになる。これが、チームによって様々なのが面白い。

 

例えば、カナダ対アメリカの試合。カナダは男女に関わらず、デリバリーした選手がそのままスイーパーを兼ねて、もう片方の選手がハウス内からラインコールをする。しかし、アメリカの場合、スイーパーは全面的に男子が担当。だから、女子がデリバリーすると男子がハウス内から出てきて、女子の指示に合わせてスイープ。最後のハウス付近は男子が自分で判断するという具合だった。

 

女子も男子も、スイープ力が武器の選手もいれば、的確なラインコールが武器の選手もいる。また、テイクショットを得意とする選手もいれば、ドローショットを得意とする選手もいる。

どちらがスイープするのか? どちらが1、5投目を担当し、2~4投目を担当するのか? その違いを発見するのも面白い。

 

そして、男女でお互いの強みを生かし、弱みをカバーしようと協力し合う姿がほほえましく映ってしまう。男子と女子がシートに共存する様子は、絵が華やかに感じるというか、穏やかなムードになるというか。男子や女子単体のチームのようなピリピリとした緊張感とはどこか違うのだ。失礼ながら、女子がデリバリーした石を、男子が必死にスイープする姿は、“女のために頑張っちゃう男”の象徴に見えて仕方がなかった。

 

得点が大きく動きやすい石の溜まる試合展開、男女混成特有の役割分担の妙と華やかさ。改めてカーリングという競技の奥深さを教えられた気がした。

f:id:katsuspo:20180213225924j:plain

石の溜まる展開が多くなるミックスカーリングは激しい点の取り合いになることも

f:id:katsuspo:20180213224646j:plain

優勝候補カナダのケイトリン・ローズの低く沈み込んだ美しいフォームはさすが

f:id:katsuspo:20180213230441j:plain

韓国チャン・ヘジのショットを懸命にスイープするイ・ギジョン

 

フィンランド 6-7 スイス

韓国 7-8 中国

OAR(ロシアの選手) 4-3 ノルウェー

アメリ4-6 カナダ

 

僕がこの日観戦した4試合は、すべて最終エンドまでもつれる大接戦。特に韓国と中国の1戦は、エキストラエンドに突入する大熱戦だった。

 

「カンダ! カンダ! (行け! 行け! )

 

 

2エンド。韓国の男子イ・ギジョンがデリバリーした1投の軌跡を追いながら、隣の女の子2人組が声を挙げている。その1投は、中国の石をハウスからはじき出した。

 

冷めた言い方をすると、このショットはミスショットに近い。彼が狙ったのは、中国の石をはじき出し、なおかつ自分の石はハウス内に留め、できるだけガードストーンの後ろに隠すショットだったからだ。実際は、ガードストーンの後ろに隠すどころか、自分の石をハウス内に留めることもできなかった。このショットが意図したものでなかったことは、その後の彼の仕草や会場のスクリーンに映る表情を見ても明らかだった。

 

だけども、中国の石をはじきだした1投に、会場は歓声に包まれる。例にもれず隣の2人組も喜んでいた。そう、おそらくこの会場にいる大半の韓国人は、初めてカーリングの試合を見たに違いない。

 

でも、最初はこれでいいのだと思う。

 

ルールなんて知るのは後からでいい。知ろうと思えば、ネットに情報は転がっている。何試合かテレビで見て、解説の言葉に耳を傾ければ自ずとわかってくる。

 

投げられた石のゆくえにハラハラドキドキする。それはカーリングを観る楽しさの原点だ。隣にいた彼女達も、会場を埋め尽くした大観衆もそれを味わった。たとえ、それが初めて感じる五輪の高揚した雰囲気に助けられていたとしても。

 

SC軽井沢の両角兄弟は、長野オリンピックカーリングの試合を観て、カーリングを始めた。もしかしたら、この観衆の中からもそんな人達が現れるかもしれない。そして、この試合を観た観衆の中からは、カーリングファンが現れるかもしれない。そう思うと、少し韓国がうらやましい気持ちになった。 

f:id:katsuspo:20180213234356j:plain

韓国は途中1-6まで離されたが、4点のビッグエンドで追い上げる

f:id:katsuspo:20180213233904j:plain

エキストラエンドまでもつれ込む大熱戦に会場は大いに盛り上がった

 

初めてのオリンピック観戦を終えて。オリンピックはいい。ただ単純にそう思った。

 

オリンピックについては、ネガティブな側面があるのは確かだ。商業主義に傾き、開催国の負担は増加し、立候補都市は減少。ドーピング問題が影を落とし、国によっては政治的な思惑を持ち込む。そして、毎回のように開催都市の準備不足や不手際が話題に上る。今回も例外ではない。宿泊施設の問題があり、チケット問題があり、会場スタッフの拙さだって感じた。

 

憂う気持ちも理解はできる。思うところもある。だけども。だけども、いたずらにネガティブな側面ばかりがクローズアップされすぎるのもどうかと思う。たとえ、ネガティブな問題を挙げるとしても、今後もオリンピックの価値を下げずに継続して運営していくための建設的な香りを感じるようなものであって欲しい。

 

オリンピックは、言い換えれば世界の運動会だ。選手と役員を派遣する費用とサポートする労力は決して少なくはないのに、多くの国がオリンピックにやってくる。参加する選手たちは、この舞台に今まで培った努力を最大限に注ぎ込む。そして、運営する現場のスタッフたちは、この祭典が少しでも成功に終わるように懸命に頑張っている。そして、素晴らしいイベントだからこそ、安くはないチケットと移動費用を負担して多くの観客がやってくる。彼らは、他では味わえないオリンピックの雰囲気に酔いしれる。オリンピックの外の世界でどんな問題が起こっていようが、しばしの間それを忘れてこの瞬間を共有し楽しむことができる。

 

それは、平和の祭典という言葉そのものではないか。

国威発揚なんて目的がどれほどの価値を持つのかと思うぐらいに。

 

今回現場に行ったことで、僕はオリンピックの素晴らしさを改めて実感することができた。そして、またオリンピックの舞台に行きたい。少なくとも僕はそう思っている。

 

駆け出しライター、平昌五輪現地に殴り込む② 江陵オリンピックパークの入場時間と現地宿泊について

 

Katsuspoです。

 

色々トラブルがあって4日ぶりの更新となってしまいました。

8日のミックスカーリングの試合面白かったですよ。 オリンピックの雰囲気ってこういうものなのか! と。

 

その話はまた後ほど書くとして、今回は私が知り得た現地情報をお伝えします。これから訪れる方もいらっしゃるかもしれませんので、優先順位が上かなと。といっても平昌はわかりませんが。

 

まず、氷関係のメイン会場となる江陵オリンピックパーク関連から。

 

江陵オリンピックパークまでは江陵駅と江陵高速バスターミナルからシャトルバスが出ているようです。ただ、荷物が多くなければ、アップダウンはありますが江陵駅から徒歩でもそれほど苦にはならないと思います(駅の表示では徒歩20分です)

 

前の記事でオリンピックパーク内にはカフェのような店は無さそうだと書きました。が、奥に進んでみたらマクドナルドがありました。ごめんなさい! ただ、席の確保ができるかという問題はあるかも。

 

時間の目安ですが、直接試合会場に向かう場合は、45分前ぐらいにはオリンピックパーク入口に着いておくことをオススメします。私は30分前に着きましたが、少し試合時間に遅れました。ただ、特設ブースや売店がオリンピックパーク内にあるので、それらも楽しむなら話は別です。ちなみにオリンピックパーク内は、試合のチケットを持っていなくても2000ウォンで入場券を買うことができます。

 

流れとしては、

入口でチケットの提示→荷物検査→各競技場前のチケット確認→競技場で席に応じたゲート誘導

 

と特殊ではありませんが、結構時間を取られます。私が行った8日はスタッフが慣れていなくて手間取ったこともあるでしょうが、同時間に他競技はありませんでした。今後は同時間に複数の競技が行われている可能性が高いと思うので、時間の保険はかけておいた方がよいかと思います。

 

次に宿泊事情です。

 

平昌五輪の開催にあたって、一番懸念されていたのが宿泊施設の少なさと宿泊料金の高騰。結論から言うと、江陵に関しては値段相応ではないですが宿自体は残っています。日にちによりますが1泊あたり57000円くらいのゲストハウスが取れればラッキーです。利便性を考えると海沿いの鏡浦(キョンポ)側よりも、江陵駅に近い内陸側がいいです。韓国にはチムジルバンという日本の温泉ランドのような24時間営業の施設がありますが、荷物の安全性の確保、キャリーケースの中身の入れ替えと持ち歩く疲労を経験した者としてはおすすめできません。実際、ブログ更新が遅れた理由の1つが、荷物入れ替えでUSBの紛失したことによる応急処置ですから…。

 

長期の滞在でなければ、ソウルに宿を取って日帰りでもいいと思います。ソウル駅から江陵駅までKTXで片道2760円、高速バスの場合はもう少し安くなります。ソウルだと宿の値段も高騰していないので、安宿が確保できれば江陵滞在とそれほど予算は変わらなくなります。手頃な飲食店を探すのが江陵よりずっと楽なのも利点です。

 

もし、参考になる方がいれば幸いです。では。

 

駆け出しライター、平昌五輪現地に殴り込む① 江陵着いたらまずはカフェ探し

 

チョヌン チグン カンヌンエ イッスムニダ

(こんにちは! 私は今、江陵にいます)

 

スケートを始めとした氷関連の競技は、ここ江陵(カンヌン)が会場となっています。

「あれ、思ったより寒くないぞ!?」なというのが第一印象。昨日、仁川空港に降り立った時は、その寒さに今後の不安を覚えたんですが。ただ、明日以降はわかりませんけどね。

 

まず、各会場がある江陵オリンピックパークを確認。江陵駅からは歩いて20分の表示がありました。キャリーケースを引きながら歩く自分はかなり特異な存在のようで、警察官に「どこに行くの」と何回か聞かれました。警備の警察官がとにかく多く動員されています。土壇場の物量作戦で色々と聞こえてくる不安を一掃しようとしているんだな、という感想を持ちました。

 

「ウリヌン ハナダ!! (私たちは1つだ)

 

ようやくオリンピックパークの入り口に着いた時、統一旗を持った人達の掛け声が始まりました。多分、通過したのが北朝鮮選手団を乗せたバスだったんだと思います。一方で、その様子をスマホで撮ったり、後ろで静観している人もいて、韓国の報道陣がインタビューしていました。アイスホッケーの合同チームに国内では賛否両論と聞いていましたが、実際どうなんだろう。

 

オリンピックパーク内とその直近には、カフェのような店はなさそうです。ツアーならいいですけど、これから個人で観戦に行くという強者は、カフェをグーグルマップなどで探しましょう。オリンピックパークから少し離れるとカフェが何軒かあります。まずはカフェで暖を取って、試合開始時間から逆算して会場に向かうのがオススメです。私も、一番近そうなカフェを見つけて記事を書いています。韓国の現地記者さんが忙しそうに向かいの席で原稿を書いています。統一旗を持った人達の掛け声も、その記者さんから教えてもらいました。

 

これから、20時5分に始まるミックスカーリングの試合を観てきます。ちなみにこれは私が日本の国内販売で唯一手に入れたチケット。ミックスカーリングの生観戦は初めてなので、会場の雰囲気を体感しながら楽しんできます。

 

それでは、ネイル バヨ~(また明日)

新たなスタートのご挨拶

 

みなさん、こんにちは。

この度、はてなブログでブログをスタートすることになりましたkatsuspoです。

 

以前はスポーツナビ+で『スポーツ宅急便』というブログをやっていましたが、スポーツナビ+のサービスが1月いっぱいで終了となり、過去の記事とともにお引越ししました。

 

ブログタイトル下の紹介文に書いたとおり、現在の僕は駆け出しのスポーツライターです。

 

全く異業種の会社を退職してから色々な紆余曲折を経て、ようやく昨年から記事を書く対価として収入を得ることができ、自称スポーツライターの域を脱するところまできました。といっても、お仕事も収入も微々たるもので、生活費は朝から夕方までの弁当宅配のバイトに頼らざるを得ません。

 

それでも、僕は自分をスポーツライターだと言い切ります。

いや、正しく言うと、自分を追い込むために言い切ることにしました。

 

今後は、気になったスポーツシーンを切り取るだけではなく、一人前のスポーツライターを目指す人生奮闘記的な記事も織り交ぜていく予定です。だから今は、単なるブログのお引越しというより、新たなスタートという気持ちです。

 

「こんな奴もいるんだ」と興味本位で見ていただくもよし。「この人より私の方がまっとうな人生だわ」と精神安定剤的に見ていただくもよし。そして、わずかでも「この人にできるなら私にも何かできるはず」と勇気を与えることができたら一番嬉しいなと。

 

よろしくお願いいたします。

 

ちなみに僕は今、ソウル駅から江陵(カンヌン)に向かう電車の中です。

平昌五輪の現地に突撃します!!

ポジティブに自信を持って 〜カーリング平昌五輪女子日本代表決定戦第2戦〜

第1戦(9/8 13:00〜) LS北見1勝

中部電力  00100000×× 1

LS北見  11001411×× 9

 (8エンド終了時コンシード)

※「コンシード」はギブアップのこと

 

第2戦(9/9 9:00〜) 中部電力1勝

LS北見  0100200110 5

中部電力  1013001001 7

 

 

 

第2戦の最終10エンド。中部電力のスキップ松村千秋は、ラストショットをしっかり決めると、やっと重圧から解放されたというような表情でチームメイトと抱き合った。それは、若いフロント陣の2人を両脇に抱え「よく頑張った」と讃えた2月の日本選手権優勝時とは大きく異なっていた。

 

 

今の感想を問われた試合後のインタビューでは、

「やっと振り出しに戻って、あと2勝したいなという気持ちになりました」

と答えた。

 

 

五輪出場がかかった試合とあって、お互いリスクマネジメントを重視して、重苦しくて固い試合展開となった昨日の初戦。お互い曲がりの大きいアイスに苦労し、中々思い通りのショットをつなげない。その中で、徐々にLS北見が押し気味に試合を進めると、第6エンドに先攻LS北見が4点のスチールを奪い、試合の大勢は決した。ミスショットの直後、LS北見にキーショットを次々と決められ、難易度の高いタフなショット選択を強いられたゆえの大量失点だった。

 

 

中部電力にとって、勝敗以上に大差がついたショックは想像以上に大きいと感じていた。

 

 

1ヶ月前の札幌。代表決定戦前の直接対決となったどうぎんカーリングクラシックの予選リーグ。中部電力LS北見に3−11で敗れた。この大会、LS北見は決勝戦こそ韓国チームに敗れたが準優勝。対する中部電力は予選を全敗し、出場8チーム中7位。会場に詰めかけた人々からは「やっぱりLS北見かな」と話す声も聞こえてくるし、「中部電力大丈夫か? 」というような雰囲気があった。本人たちもその空気は感じていたに違いない。

 

 

ただ私の見立ては少し違った。会場で見る限り、地元を離れて約1ヶ月間の北海道合宿の最後を迎えていた中部電力疲労感は相当なものであったと感じた。ハーフタイムにどっかりと腰を下ろすスキップ松村千秋の姿は、それを物語る象徴的なシーンだった。また、試合中のショット選択をみても、普段着通りの試合運びに徹していたLS北見とは対照的に、中部電力にはいつもとは違う作戦を試すような調整の色合いを強く感じた。そうしたことを差し引けば、この結果が代表決定戦にそのまま直結するものではないと。

 

 

ただ、本番1ヶ月前の大会でいい成績を残せなかった不安と、LS北見に大敗したイメージは決して小さくない。だからこそ、中部電力の選手たちの心の切り替えが重要だと思っていた。あくまで調整だったから。疲労がピークに達していたから。周囲も色々と書き立てる中で、心に言い訳をしてポジティブに心を切り替えられるか? 調整を終えた本番なら。疲れをとってリフレッシュして迎えられたら。言い訳をクリアにできたら、私達はやれるという自信が持てるか?

 

 

だからこそ、初戦の中部電力に欲しかったのは、勝ち負けよりも手応えを残せる接戦だった。たかが1敗だが、精神的には相当追い込まれる大差の敗戦。気持ちを立て直せなければ、一気にLS北見が決めてしまう可能性が高かっただろう。

 

 

そして、一夜明けた今日の2戦目。

 

 

「後ろを振り返ってもしょうがないということでネガティブにならずに、まだ1敗しただけというところもありましたし、ポジティブに自信を持っていこうと話しました(松村千秋)」

 

 

2戦目は、初戦を経てお互いアイスの特徴をつかみ良いショットが随所に見られる好ゲームとなった。中部電力は、序盤からカムアラウンドでハウス内を狙うショットを選択するなど、気持ちが前に出る作戦を立て、投げ手がそれに応える。アイスへの迷いと自分のことで精一杯になって声が小さくなってしまった初戦とは違い、声もよく出ていた。2戦目への光明でもあったセカンドまでのセットアップは、さらに精度を増した。リードの石郷岡葉純は初戦を上回るショット精度を見せ、初戦で完璧な出来を見せたセカンドの北澤育恵は昨日の好調を見事に引き継いだ。初戦で痛いミスが続いて、LS北見のサード吉田知那美を調子に乗せてしまったサードの清水絵美は、懸命に踏ん張ってスキップの松村千秋につなげた。結果、タフなショット選択を強いられたのは、初戦とは違ってLS北見のスキップ藤澤五月の方だった。藤澤自身の調子も良くなかったが、スキップの松村千秋はチームメイトがつないでくれた状況をしっかり決めて勝利に導いた。

 

 

果たして、中部電力は見事に切り替えてきた。

 

 

LS北見も決して悪くはない。リードの吉田夕梨花もまずまずの出来であったし、セカンドの鈴木夕湖は、中部電力のセカンド北澤育恵とファインショットの応酬で会場を沸かせた。吉田夕梨花鈴木夕湖のスイープ力と、鈴木夕湖の秀逸なウエイトジャッジは相変わらずチームに安心感をもたらす強みだ。サードの吉田知那美は、時にチームを救い、時にチームを優勢に導くキーショットを決めて波に乗っている。あとは、スキップの藤澤五月がしっかり気持ちを切り替えるのを待つのみだ。

 

 

先に2勝して王手をかけるのは、LS北見か、中部電力か?

15:30から始まる第3戦が俄然楽しみになってきた。

中部電力の快勝劇から見える勝利を呼び込むリードの存在感 〜カーリング日本選手権前半戦〜

平昌五輪の出場権をかけるカーリング日本選手権が月曜日から始まっている。驚いたのは、昨年まで決勝のみの放送だったテレビ中継が予選初日からあること。予選最終日の金曜日を除き、毎日2試合ずつの放送がNHKBSで組まれている。五輪代表権のかかる五輪前年の大会であることや、首都圏から近い軽井沢での開催ということを加味したとしても今までにないスケジュールだ。

 

注目の五輪代表権については、昨年優勝の男子SC軽井沢クラブと女子LS北見は、連覇を果たした時点で五輪代表。それ以外のチームは、優勝することによって9月の日本代表決定戦に持ち込むことができる。

(日本の五輪出場権の状況や日本代表権の選考方法についての詳細は、以前に書いた『軽井沢国際カーリング選手権開幕 〜Road to 平昌の前哨戦〜』を参照いただきたい)

 

大会初日、いきなりの興奮がやってきた。

 

女子の北海道銀行中部電力の一戦。3−1で中部電力がリードして迎えた第7エンド。中部電力のスキップ松村千秋のラストショットに歓声が上がる。ハウスには中部電力のストーンが3つ、北海道銀行のストーンが1つ。松村千秋がデリバリーしたストーンは、前にある2つのガードストーンの間を見事にすり抜けて、北海道銀行のストーンをはじき出す!! 4点を獲得するビッグエンドだ。これが決定打となり、8エンドで北海道銀行がコンシード。7−2で中部電力が、小笠原歩船山弓枝といった経験豊かな選手が揃い優勝候補の1つであった北海道銀行を破った。

※ 「デリバリー」→選手がストーンを投げる動作のこと

※ 「コンシード」→負けを認めて、試合を終了すること

 

ただ、中部電力北海道銀行を破ったこと自体には、僕は驚いていない。

その試合内容は、勝つべくして勝ったというような内容だったからだ。

 

もちろん、ビッグショットを決めた松村選手も素晴らしいのだけど、僕は影のMVPにリード石郷岡葉純選手を挙げたい。彼女が丁寧にデリバリーし続けた2投は、常に北海道銀行のリード近江谷杏菜選手の2投を上回り、中部電力優勢の試合展開を作り続けた。これにセカンド北澤育恵選手が続き優勢を強固なものにすることによって、サード清水絵美選手とスキップ松村選手に精神的優位を与え、リスクの少ないショット選択を可能にした。対する北海道銀行はセカンド以降、状況を挽回するようなショットが中々決まらず、スキップ小笠原選手のドローショットの成功率は低くなって万事休すだった。これは北海道銀行のショット成功率がただ低いだけでなく、北海道銀行に難易度の高いショットの選択が多かったことも影響している。ただそれは、選択したのではなく、常にストーン配置で先手を取り続けた中部電力に“選択させられた”のである。

 

同じ日に行われた男子のSC軽井沢クラブ対チーム荻原の試合でもやはり象徴的なシーンがあった。SC軽井沢クラブのスキップ両角友佑選手が、2投ともガードストーンを置いたシーンだ。SC軽井沢クラブはリード両角公佑に多少ミスがあったものの、チーム萩原もリードで優位に立てない。続くセカンド山口剛史選手の2投で優勢な状況を作ると、サード清水徹郎選手の安定したショットでより優勢を強めた。ハウス内のストーンは、もうSC軽井沢クラブにとって充分な状況になっている。もう、スキップの両角友佑選手にスーパーなショットは要らない。ハウス内を壊されないようにガードストーンを作って邪魔をすればいい。結果、チーム萩原のスキップ萩原諒選手にはガードストーンを縫うようなショットか、ガードストーンにヒットしてハウス内に飛ばすような難易度の高いショットしか選択肢が残されていなかったのである。

 

リードとセカンドがそれぞれ2投ずつデリバリーする序盤の4投を、フロントエンドと呼ぶ。ここで互角の展開であれば、もちろんサードやスキップの勝負になる。しかし、フロントエンドで差がついた展開になるとサードやスキップの力量でどうにかするのは難しくなる。強いチーム同士になればなおさらだ。実力あるサードやスキップがいるチームは強い。そして、精度の高いフロント陣も備えているチームはもっと強い。

 

カーリングのショットは、大きく分けてストーンを置きたい場所に置くドローショットと、相手のストーンをはじき出すテイクショットに分けられる。テイクショットに比べ、ドローショットはコースだけではなく距離感が要求される。ストーンの配置が仕事になるリードのデリバリーは、ほぼドローショットだ。しかも、今シーズンからはスイープに関する規則が変わり、スイープで微調整できる範囲が少なくなったため、よりデリバリーの精度が要求されるようになっている。どこのチームもドローショットに苦しんでいるからこそ、精度の高いリードの2投は存在感を増す。もちろん、中部電力SC軽井沢クラブには、会場の何気ない場所をデリバリーの目印にできるような地元の利はあるかもしれないが、アイスメーカーと呼ばれるアイスコンディションを作る人のさじ加減で、氷上の状況は変わる。地元の利以上に、リードやセカンドの安定感が相手よりも先にアイスコンディションを読み取る要因になったといえるだろう。

 

実は1週間程前の週末、昨年の日本選手権4位のチーム軽井沢と中部電力の中部選手権女子決勝を見るために、今大会の会場となる軽井沢アイスパークに足を運んだ。日本選手権の出場枠は、北海道ブロック3、東北ブロック1、関東ブロック1、中部ブロック1、西日本ブロック1。前回優勝のLS北見と準優勝の富士急は予選免除になっている。3位の北海道銀行がいるとはいえ、北海道ブロックは3枠ある。おそらく、地方ブロックで一番厳しい日本選手権の代表争い。そこを勝ち抜いてきたのが中部電力だった。

 

その中部電力は、今日の予選第5試合目で、昨年準優勝の富士急をエキストラエンド(延長戦)の末に7−6で破り、初戦から無傷の5連勝となった。北海道銀行戦でキラリと存在感を放った、中部電力のリード石郷岡選手とセカンド北澤選手を含めたフロント陣は、充分に他チームの脅威になりうるはずだ。昨シーズンのLS北見が、国内のライバル達に対して持っていたアドバンテージの1つが、リード吉田夕梨花選手とセカンド鈴木夕湖選手のフロント陣の安定感だったように。

 

昨シーズン、抜群の安定感で世界選手権銀メダルを獲得したLS北見。そのLS北見も、今シーズンは今のところ昨シーズン程の安定感を見せられないでいる。そこで大会前の戦前の予想は、昨シーズンの覇者LS北見北海道銀行が2強、それを追う富士急の構図だったが、中部電力は完全にこの構図に割って入ってきたといっていい。おそらく予選を勝ち上がるのはこの4チームになるだろう。ここまでの予選で4チームの直接対決は、中部電力北海道銀行、富士急と戦った2試合のみ。予選4連勝中の王者LS北見は、上記の3チームとどんな試合を見せるのか? 北海道銀行はどこまで立て直してくるのか? 中部電力に延長戦で敗れた富士急は? 決勝ラウンドを前にどんな力関係になるのか楽しみになってきた。

 

男子は、SC軽井沢クラブが無傷の6連勝。SC軽井沢クラブは日本選手権4連覇中。昨シーズンの世界選手権では男子史上最高の4位。今シーズンもアジアパシフィック選手権で優勝し世界選手権の出場権を手にした。彼らの頑張りが、男子カーリング界に長野五輪以来となる20年ぶりの出場権をもたらすことはほぼ確実となっている。現状では、SC軽井沢クラブの実力が一歩も二歩も抜きん出ているのは否めない。他のチームはお互い星の潰し合いで無敗のチームがいなくなったが、この中から決勝までに調子を上げてくるチームが欲しいところ。昨年準優勝のチーム東京は1勝5敗と出遅れているため、札幌とチーム北見の2チームに期待したい。フロント陣が粘り強い戦いで食い下がれば、SC軽井沢クラブといえど容易に勝つのは難しくなる。男子のパワーを兼ね備えたエキサイティングな好ゲームをテレビの前の視聴者に届け、男子も女子に負けず注目される第一歩にして欲しいところだ。