情熱のカムアラウンド

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課題と収穫と勝ち点3〜対スイス戦〜

日本1−0スイス

 

得点はPKの1点のみ。全てが良かったわけではなく、また全てが悪かったわけでもない。そんなクオリティの中で勝ち点3を獲得できた。そう考えると、今後の日本にとっていい試合だったのではないでしょうか?

 

以前にもブログで触れさせていただきましたが、4年前に日本が世界一になった真の原動力は、相手を上回る忍耐強さと集中力だと私は思っています。現在の女子サッカーには、まだマラドーナもメッシも存在しません。圧倒的な個人の力が存在しないのならば、根比べ合戦の勝者が勝利を手にする確率は高いと思っています。

 

どれだけプレッシャーをかけられても、しぶとくボールをキープする。ドリブルで抜かれても執拗に追いかける。また、二の矢、三の矢が立ちはだかる。どれだけ体格で劣っていても、しつこく体を寄せる。攻撃を跳ね返されてもこぼれ球を拾いまくる。

 

まだ、つなぐの? まだ、追いかけてくるの? まだ、立ちはだかるの? まだ、からんでくるの? まだ、攻撃が続くの?

 

対戦相手が、嫌気が指してしまうくらいのしぶとさ。これこそが、現在の女子サッカーにおける日本最大の武器。逆にこのしぶとさが欠けた時、日本は大きなアドバンテージを失ってしまいます。

 

この試合で見えた課題は、自らリズムを崩してしまうミスがまだ多いという部分。特に、相手の攻撃を受けきった後の、攻撃に転じる一つ目のパスミス。これは今後致命傷になりかねません。また、単純なクリアが多すぎて中々マイボールにできる機会を作れなかった事も課題でしょう。

「もう少し落ち着いて、日本らしくボールを回しながらできればいい」

佐々木監督が言うところの「落ち着き」には、このあたりが含まれている気がします。

 

一方で、日本の粘り強さが、大きなアドバンテージになる事を確認できたのは大きな収穫です。この試合で一番の脅威となったのが、スイスのFWバッハマン。特に、後半9分に見せた4人抜きのドリブル突破は見事でした。しかし、このシーン、逆に日本の粘り強さが出たシーンだとも思っています。1人目が抜かれれば、二の矢。2人目が抜かれれば、すぐに三の矢。3人目が抜かれたら。すかさずGKが四の矢となって飛びました。日本の粘り強い守備は、結局バッハマンにシュートを打たせませんでした。このしつこさは必ず大きな武器になります。

 

決勝トーナメントに勝ち進めば、もっと気の遠くなるような根比べ合戦になるでしょう。そのデモンストレーションとしては、いい初戦でした。次戦のカメルーンは身体能力に秀でているので、根比べ合戦のレベルアップにはもってこいの相手。決勝トーナメントに向けてチーム状態を上げていくには、格好の対戦順といえるかもしれません。