情熱のカムアラウンド

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悔しい涙〜カーリング女子世界選手権4日目アメリカ戦〜

思わず涙があふれてきた。

 

今日の午前、6試合目となるアメリカ戦の第8エンドを終えて、サード吉村選手は何度も右手で涙を拭った。

 

大会3日目となる昨日、日本は世界ランクで格下となるノルウェーフィンランドに連勝し通算成績4勝1敗。しかし試合後、2日目の終わりに見せた充実感は選手になかった。

 

「内容はともあれ勝ったことは喜びたい(小笠原選手)」

「2投中1投、長い短いがあった(吉村選手)」

 

不安定なショットが散見し、4人でショットをつなげる場面が少ない。スウェーデン戦のような納得のいく試合ができていない中で、勝ち星を積み重ねられたことが幸運だった。

 

「明日はしっかり決めていきたい。ここからが勝負(吉村選手)」

 

しかし、都合のいい事はそうは続かない。ここまで0勝5敗と調子の出ないアメリカに4−6の敗戦。試合後、小笠原選手は、

「自分たちがショットをきちっと決めていなかったので、相手にプレッシャーも何も与えられなかった」

とチームの自滅を敗因にあげた。

 

昨日の影の立役者、リード近江谷選手のセットアップは少し乱れが出た。サード吉村選手はラインオーバー(ショット時に手を離さなければならないラインを超えてしまうこと)のミスがあり、その後のショットも精彩を欠いた。小笠原選手も不安定なショットでチームを救えなかった。ここまでは、誰かが調子が出なくても他がカバーするという好循環がチームを救っていた。しかし、この試合では自信のなさがチーム全員に伝染してしまった感じだ。そして、ナイスショットにするための、投げ手のジャッジ。スイーパー(アイスをブラシで掃く人)のジャッジ。ハウス後方で指示するスキップ(又はバイススキップ)のジャッジ。これがうまくいかない。皆が「自分のことでいっぱいいっぱい(小笠原選手)」で、チームとしてナイスショットを作り出すことができなかった。

 

昨日までの5試合、サードの吉村選手はチーム勝利の立役者だった。時に味方の劣勢を挽回し、時に味方の優勢を更に強める素晴らしいショット。臨機応変な状況判断が光ったコール(指示)。幾度となくチームの危機を救い、勝利に導いてきた。とはいえ、ジュニアで世界大会の経験はあっても、シニアは初の国際舞台。改めて感じた責任の重さと、思うようにいかない悔しさが、涙となって出た。

 

でも、その悔しさはかけがえのない経験となる。この涙は彼女をもっと強くしてくれるはず。

 

今晩の相手となるロシアはここまで日本と同じ4勝2敗。決勝トーナメント進出(上位4チーム)を争う当面のライバルだ。厳しい戦いになるだろうとは思う。悔しさを力に変えられるか? 大注目の一戦になる。