情熱のカムアラウンド

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スキップの重圧〜カーリング女子世界選手権4〜6日目〜

やはり、世界ランク1位カナダは強い。完全な力負けだった。

 

大会6日目10試合目となるカナダ戦、5−8で敗れた日本は1試合を残して予選敗退が決まった。

 

悔しいというより相手が見事というしかない。日本はよく食らいついたが、カナダの安定感抜群のショットが、わずかな希望を許してくれなかった。特筆すべきは、カナダの国民的スターにして世界ナンバー1スキッパー、ジェニファー・ジョーンズを筆頭としたカナダチームの、安定感を生む素晴らしいショットフォーム。

 

しっかり身体が沈んで、体全体でストーンを押し出している。腕の力だけで押し出さない。手首の力の頼ることがない。だから、一度読んだウエイト(どれぐらいストーンが滑るか)とアイスの曲がり幅(どれくらいストーンが曲がるか)を無駄にしない、ブレの少ないショットを繰り出せる。こんなにショットフォームの違いを感じたのは、今大会はじめてだった。この敗戦は仕方がない。現時点での力の差だ。

 

アメリカ戦に敗戦して4勝2敗となった後の3試合。デンマークには勝利したもののロシア、中国に負けてしまったのが大きく響いた。ロシア戦は、前半お互いミスの少ない好ゲームだったが、後半精度をあげてきたロシアに対し、日本に痛恨のミスが出た。中国戦は、前半相手にもミスが多く、日本のミスが致命傷にならずにすんでいた。しかし、その後盛り返してきた中国に対し、スキップの小笠原選手がことごとく大事なショットをミスしてしまった。

 

スキップの後に投げてくれる人はいない。野球で言えば、最後に出てくる抑えの守護神。レベルの高い試合になればなるほど、スキップの前までにどれだけ有利な状況を作れるかが大事になる。しかし、それは最後にスキップが最低限のショットを決めてくれる事が前提条件。「全て自分の責任(小笠原選手)」と感じながらも、味方に指示を出さねばならない心境はいかばかりだったろうか?

 

ナイスショットを決めてチームを勝利に導くという他人には味わえない幸福。自分のミスショットがチームを敗戦に追いやるという地獄。改めて感じる、スキップというポジションの重圧。

 

日本チームの世界選手権はあと残り1試合。頑張って欲しい。そして、最後は勝利の味を噛み締めて欲しいものである。